背景
サウスホランド治水組合(SHIDB)は、イギリスの重要な洪水管理組織の1つです。サウスホランド(オランダに似た低地の区域にあるため名付けられた)は、英国の主要な農業地帯の1つですが、その平らな地形のために、同地区は常に氾濫の危険性を帯びています。SHIDBの役割は、地域のコミュニティと60,000人の住民にとって極めて重要なものとなります。
SHIDBは、ウェランド川とネン川に挟まれた貴重な肥沃な土地38,441ヘクタールの排水に関与しています。とりわけ、16の無人ポンプ場と潮で制御された7つの重力水門を704キロメートルの排水溝ネットワークに接続して維持しています。
SHIDBは水処理業務の第一人者の専門企業であるクーガーオートメーション社に依頼し、ホルビーチにある本部からリンカンシャー州のサウスホランド地区の16のさまざまな無人遠隔ポンプ場を制御する監視システムを導入しました。クーガー社は、SHIDBの水位管理で核となるモバイルルーティング技術の点でDigiに着目しました。
開発の容易さ
開発のフェーズワン(2008年11月完了)では、Digi TransPort DRルータが固定電話とモバイル通信に使用されるのを確認しました。BTブロードバンド接続が配備される一方、モバイルネットワークは、フェイルオーバー向けにいくつかの遠隔地でVodafoneとT-MobileのデュアルSIMカードを使用しました。選ばれた工業用ワイヤレスアクセスポイントは、悪天候でもエンジニアがポンプ場にアクセスすることを保証します。各ポンプ場は、中央集中監視と固定電話不通を検知するアラームシステムを実現するテレメトリによる自動制御を行っています。
Digi TransPortルータは10~15秒毎にデータを送信し、SHIDBがリアルタイムで地域の水位と各サイトの機器の状態をモニターできるだけでなく、エンジニアが遠隔でポンプのスイッチをオンオフしたり、目標水位やポンプの構成を調節したりすることが可能です。SHIDBは、問題の処理にチームを派遣するかどうかを決める前に、本部からサイトを容易に確認・評価することができます。
クーガーオートメーションは、Digi TransPortルータがそれぞれの遠隔地からマスタールータにセキュアなバーチャルプライベートネットワーク(VPN)トンネルを確立できるよう、SHIDBのテレメトリシステムを設定しました。いくつかのサイトはIPカメラを備え、Digi TransPortデバイス経由でイメージをオフィスにフィードバックします。この機能により、SHIDBは水位のリアルタイム映像を得ることができます。エンジニアが自動でポンプを遠隔制御する必要があるとき、侵入者検知システムと安全モニタリング装置としても機能します。
「CCTVにより、SHIDBにサウスホランドの排水ネットワークの制御だけでなく、エンジニアがマンパワーに影響を与えることなく各サイトをしっかり監視することができます」と、クーガーオートメーションのプロジェクトエンジニア長であるスチュアート・ゴーント氏は話しています。
将来への展望
開発フェーズ2では、SHIDBが水位やポンプの稼働時間やエンジニアのとった対応を保存し、水文学モデリングに資する計画です。こうした機能により、SHIDBや他の治水組合は、管轄地域から排出される水量や他の詳細を、雨量と比較・対比させることができます。
成果
Digi TransPortのセルラーテクノロジーと最新テレコミュニケーションシステムの結合により、SHIDBは、水位のより効果的な管理が保証され、洪水の危険性低減のための継続的・効果的な措置を実現しています。
「サウスホランド地区は、英国の経済にとって重要な地域であり、頻発する洪水と水害防止を我々に依存する60,000人を超える住民を持つ地域コミュニティです。 Digi TransPortルータのおかげで、潜在的な問題に以前より優先的に対処でき、適切にマンパワーを割り当てられるようになりました。この方法をとれば、我々のエンジニアは、常にしかるべき時刻にしかるべき場所に配置できます」と、SHIDBの地区エンジニアであるカール・ヴァインズ氏は話しています。



