移動中もネットに接続：公共交通機関のサービスを充実

Staying Connected on the Go: Enhancing Public Transit

多くの人々にとって公共交通機関は安全で手頃な料金の移動手段として毎日の生活に欠かせないものです。一方、依然として公共交通機関の最大のライバルである自動車は、アクセスのよさ、利便性、快適性を誇ります。この事実を痛感している多くの運営会社や交通局はカスタマエクスペリエンスの改善に向けてさまざまな手段を採用しています。たとえば、もっと便利な料金支払い方法や、最新の運行状況と到着時刻の情報、運行ルートの最適化などです。

1990年にスロバキアで設立された EMTEST は、公共交通機関、貨物運送、スマートカードシステム、電子機器の生産を統合したソリューションを提供しています。EMTESTの Emlinesシステム は、料金回収、乗客情報、車両管理など幅広い公共輸送システムに向けた総合ソリューションを提供します。

交通機関の接続

Emlines の料金回収システムは、乗客と輸送会社をつなぐ最も重要なリンクのひとつです。システムの中心は、車両システム全体のメインコントロールの役割を担う最新の車載ユニットです。

「車載ユニットは、乗車券の販売と管理のためのコネクテッド制御システムを提供します」とHeglas氏。「それだけでなく、乗客にも、次の停車駅の名前、到着時間、他の路線への乗り継ぎといった重要な情報を伝えます。また、車両管理にも欠かせません。たとえば、交通量を監視して、どのバスをどの路線に投入するか、運転手は誰にするのかを決定し、燃料の予想消費量も判断します」。

Emlinesのシステムは非接触型スマートカードをベースにしたオープンソリューションで、乗客の流れがそれぞれ異なるあらゆるタイプの公共交通機関に応用できます。このシステムはリアルタイムで他の車両システムや配車担当者や中央ハブと通信を行うため、乗客には正確な交通情報を提供し、運行会社は車両管理を改善できます。こうした機能は、安定したインターネット接続がミッションクリティカルな要件になっていることも意味します。EMTESTは DigiのConnectCore® 6 を革新的な車載ユニットの技術プラットフォームとして採用しています。ConnectCore 6モジュールによって、メーカーはWi-Fi対応製品の開発が容易になります。また、セキュアなリモート管理とWebサービス機能をクラウド経由で提供します。

EMTEST社の理事長Ladislav Heglas氏は振り返ります。「当社では、車両全体のシステムをさらにコントロールしやすくするため、運転手向けの新しいユーザーインタフェースの制作を目指していました。卓越したスピード、インタフェース、機能を備えた次世代車載システムを作ることを目指していた当社に、Digiは素晴らしいソリューションを提供してくれました」。

「Digiは当社が2015年の第一四半期に発売を予定していた新しい車載ユニットEMX27に最適な技術プラットフォームを提供してくれました」とHeglas氏は話しています。

Digi Internationalのエンベデッドソリューション部門のシニアプロダクトマネージャーのMike Rohrmoserは次のように説明します。「長年、Digiの交通業界向けのFreescale i.MXプロセッサをベースにした組込みコアモジュールには定評があります。このモジュールは交通ソリューションの開発者にとって理想的なソリューションです。市販のモジュールとしては最上級のスモールフォームファクタを誇っているため、組み立てにコネクタは不要です。M2Mソリューションの開発者向けに、デザインリスク、複雑さ、タイムツーマーケットを削減するよう設計されています」。

公共交通機関は、消費者に充実したカスタマエクスペリエンスを提供することで競争力を維持し、今後も多くの通勤客や旅行客に選ばれる移動手段であり続けることでしょう。