From the Ground to the Cloud: Optimizing Irrigation
水の需要は高騰し続けており、過去50年間では10年ごとに60%ずつ増加しています。今後12年以内に、世界の人口の3分の2が水不足を経験することになると予測されています。水不足は切迫した影響が広範囲に及びます。世界の食糧の40%以上が灌漑農業によって生産されているからです。
CropXは世界最先端の灌漑ソフトウェアサービスとして、水とエネルギーのコストを劇的に削減し、作物の産出高を増加させます。CropXのシステムは「大地の声を聞き」、耕地の各所にいつでも必要な量の水を正確に提供することで、広大な耕地の灌漑に使用される水を10~20% 節約します。
ビジネスの課題
CropXが目指したのは、灌漑の最適化による劇的な水とエネルギーのコスト削減と耕地の産出高の増加です。農業経営者にとって効率性と産出高を最適化するだけでなく、CropXは水の保全に関してもプラスになる影響を与えられるシステムの構築に乗り出しました。現行の灌漑システムは耕地にまんべんなく給水するために大量の水を浪費していますが、CropXのシステムは「大地の声を聞き」、耕地の各所に必要な量の水を正確に提供します。
CropX社CEOのアイザック・ベントウィッチ氏は次のように説明します。「当社のパターン認識分析手法とアルゴリズムは耕地とその土壌構造と状態をくまなく分析します。これをすべてクラウドで行います。当社では、耕地に関するデータをクラウドへ送信し、当社のアプリケーションに取り込む簡単かつ安全な方法を求めていました。Digi International社は、XBee® DigiMesh®の無線技術からDevice Cloud by Etherios™を内蔵したゲートウェイまで、すべてを提供してくれました。このエンドツーエンドソリューションが決め手となり、ソリューションを市場投入するまでの時間が予想よりもはるかに短縮されました」。
とはいえ、どんなに大きな影響を及ぼすシステムでも、農業従事者はそれを導入する間も農作業を続けなければならないので、厳しい技術的要件や複雑な設定や利用規則にわずらわされる時間を割いてはいられません。
ソリューション
湿度センサーを耕地に設置し、XBee DigiMesh 2.4 RFモジュール と接続して、一元管理しているConnectPort® X4ゲートウェイに情報を送信します。ConnectPort X4でキュレーションされたデータは、セキュアな接続を経由してDigi Device Cloudへ送信されます。この情報はDevice CloudからCropXのスマートフォンやWebアプリケーションへ送信され、各端末でデータを操作することができます。
クラウドではCropXのパターン認識分析手法と革新的なアルゴリズムとソフトウェアが耕地とその土壌構造と現在の状態をくまなく分析し、耕地の各所で必要とする水の適量を判断します。データを基に自動調整が行われ、灌漑システムに水のオンとオフを適宜指示します。
農業従事者は携帯電話やWebインターフェイスで灌漑マップとステータスを確認できるので、世界のどこにいても数回クリックするだけで必要に応じて水量を調整できるのです。
成果
迅速な実装: 農業従事者はモバイルアプリをダウンロードし、アプリのガイドに従って3つのセンサーを耕地に設置するだけです。
水の保全: このサービスは大規模耕地の灌漑に使用される水の量を10~20%節約します。これは、必要な水の量のリアルタイム分析により、耕地のそれぞれの部分に異なる量の水を供給することで実現します。
運用コスト: CropXはコストのかかる通信サーバーを利用したり、システムのメンテナンスにITエンジニアを配置したりする必要がありません。その代わりに、CropXは僻地にソリューションを配備するために労力を割くことができます。Device CloudによってCropXはコストのかさむ通信サーバーや高いメンテナンス費を削減できます。そのため、接続される耕地が増えてもリソースが増加することはありません。CropXは、システムのコストと拡張性を完全に制御できるという自信を持ってビジネスを発展させることができるのです。
低開発費: CropXのシステムは、ニュージーランドのランドケアリサーチという研究所による長年の調査の賜物です。この研究所は、あらゆる種類のセンサーを統合して高いカスタマイズ性を誇るConnectPort X4プログラマブルゲートウェイを利用して、実験を迅速かつ容易に立ち上げることができました。定評のあるWebサービスを利用することでDevice Cloudでのアプリケーション開発も迅速に行われました。こうした利点のおかげで、CropXは世界最先端の灌漑自動化技術の開発に総力を挙げて取り組むことができました。高度なクラウドコンピューティングのデータ分析により、耕地の各所で必要となる適切な水量を毎日判断し、使いやすいモバイルアプリは土壌のスマートセンサーを統合して農業従事者に大いに貢献しています。