Remote Temperature Monitoring of Perishable Goods Saves Money, Prevents Hazards
ベルギーに本社を置くRMONI (2005 年創立)は、重要な制御パラメータをワイヤレスで遠隔監視するシステムを提供しています。その一例が食品および医薬品の輸送・保管中の温度を監視するソリューションです。このシステムが非常に有益だと歓迎する顧客を獲得したRMONIは、ヨーロッパに1,500件以上の導入例があり、オンラインで1万件のセンサーを稼働しています(2013年現在)。
ビジネスの課題
製品の取り扱い中にほんのわずかに温度が上昇しただけで、品質が劣化したり、効果がなくなったり、大幅な収入減につながりかねません。次のような例があります。
- 袋詰めしたサラダが卸売業者に届くまで通常は2.5日かかります。このサラダを店頭に置ける日数は輸送中の温度に左右されます。1~5 度というわずかな変動でも消費期限は数日早まってしまいます。
- 医薬品のEprexは1回の投与に500ドルかかります。もし室温のまま60分以上放置されると使い物にならなくなってしまいます。
どちらの例でも、コールドチェーン(低温流通体系)を確立して維持し、商品の冷蔵状態を流通のすべての段階において適切に保つようになければなりません。そこで温度監視が重要業務となるのです。
登録手続きは人手を要し、コストがかさみ、エラーが起きやすいプロセスです。ワイヤレス監視システムがなければ、手作業で温度計を使って温度を計測し、紙とペンを使って記録します。あるいは、データロガーを使用し、PCにつないでデータをアップロードします。
RMONI の顧客であるSPAR Lambrechts社のコマーシャルディレクターManu Suffeleers氏は次のように説明します。「食品安全基準法を順守するには、冷蔵・冷凍食品のユニットの内部温度を定期的に検査する必要があります。手作業での温度測定は時間がかかります。特に食品小売りチェーンのスーパーでは1店舗で少なくとも15~20個の食品ユニットがあるので、このデータを食品安全当局への報告書にすべて入力するだけでも膨大な事務作業時間を要します」。
ソリューション
RMONI社が構築したソリューションは、ハードウェア、ワイヤレスセンサー、ゲートウェイ、クラウドアプリケーションをすべて網羅しています。RMONIのワイヤレス監視システムは、顧客の冷蔵冷凍食品のサプライチェーンと連携して機能します。
ワイヤレスセンサーを XBee®モジュール とともに配備してワイヤレスネットワークを構築します。センサーとXBeeモジュールは、トラック、貯蔵ユニット、生産施設などコールドチェーンのどんな環境にも設置できます。モジュールはセンサーデータを収集して一元管理されたゲートウェイに送ります。ゲートウェイはデータをパッケージ化してクラウドに送信します。Sensor2Webアプリケーションを利用して、RMONIの顧客は、ダッシュボードでリアルタイムのデータを閲覧したり、レポートを作成して規制当局に提出したり、電子メールやSMSで送信されるアラートを受信したりすることができます。
XBeeモジュールはセンサーデータをゲートウェイに送信し、ゲートウェイはクラウドと通信するので、データをSensors2webアプリケーションで利用できるようになります。
RMONIではさまざまなXBeeモジュールを使用しています。例えばポイントツーポイント通信にXBee 802.15.4 (シリーズ1)を、センサーの広域ネットワークにはXBee ZigBeeを利用しています。「XBee ZigBeeは特に、200~300もの計測点のある病院のような状況で非常に役立っています。デバイスを配備すれば、あとはZigBeeがネットワークを作ってくれるのです」。
RMONIのチームは、統合のしやすさ、ユニバーサルソケットと認証ハードウェアによる迅速で容易なインストールプロセスを評価しています。「Digi XBee製品を活用したことで、当社の主力サービスであるカスタマーソリューションに全力を注ぐことができました」と語るのは、RMONIのCEOであるBart Meekers氏。「無線技術は当社の専門ではないため、無線の設計に悩まされたくはありません。ですからXBeeを導入してDigiのパートナーや販売代理店のサポートを受けられるのはとても助かりましたし、市場投入も迅速にできました」。
成果
RMONIのシステムは国際的な食品安全基準を順守し、簡単な設定で既存のシステムにシームレスに統合することができ、継続的な計測と自動報告書作成が可能になります。現在RMONIは、世界最大級のファストフード店や大手の医薬品販売会社など食品・医薬品の品質を重視する顧客にワイヤレス遠隔監視システムを提供しています。
ヨーロッパの平均的なスーパーマーケットは、食品廃棄費として年間5万〜8万ドルを支出しています。このソリューションはスーパーマーケットの食品廃棄量を10%削減しました。
「このシステムのおかげで、それまで手作業の温度計測やロガーからのデータ読み込みに費やしていた時間を大幅に節約できました」と語るのは、Ter Beke-Pluma社の品質管理マネージャーPieter Van Bruaene氏。「顧客の監視ニーズを知ることで、コストのかかる問題を解決するためのベストソリューションの開発に大いに役立ちました。汎用的なソリューションは顧客が必要とするものの大半を提供することができますが、当社のソリューションは監視プロセスを隅から隅まで簡略化して改善します」。