ビジネスの課題
建築請負業者として太陽光事業の急増を実感していたジェームズ・メーリンガー氏は、現場でよく扱う両面ソーラーパネルの新しい利用方法があれば太陽光発電の活用の場が広がる絶好の機会だと考えました。両面ソーラーパネルはパネルの表と裏に当たる太陽光を利用できるため、太陽光発電の効率をあげることができます。
パネルの能力を目の当たりにしたメーリンガー氏とチームは、同じ技術を街灯に利用する事業を始めました。これまでのソーラー街灯は、設計者に形か機能かの二者択一を迫るような実用一辺倒のソリューションでした。Mira Bella Energyのチームがそれを変えたのです。
ソリューション
Mira Bella Energy は街灯に搭載する独自のパネルを設計しました。従来のソーラーパネルは街灯の一番高いところに取り付けられていましたが、両面ソーラーパネルは縦に設置するので、昼間の日光だけでなく夕方の西日も捉えることができます。高さ150 cmのパネルは魚の背びれのような形で、強風にも耐える設計です。それぞれの街灯のポールには夜間の照明のためにリチウムイオン電池が入っています。電池の耐用期間は充電3,000回分、約8年間なので、街灯を配電網から完全に独立させることもできますし、ハイブリッド方式も採用できます。
できるだけスマートで効率よく、スケーラブルなソリューションにするため、Mira Bella EnergyはIoT(Internet of Things)を利用したインテリジェント両面太陽光発電照明システムを開発しました。そのために、各街灯パネルには Digi XBee RFモジュール と X2/X4ゲートウェイ を搭載し、 Digi Device Cloud にも接続ができます。XBeeが街灯ソーラーパネルから収集した情報がゲートウェイに送信され、ゲートウェイからクラウドに送信されるので、ウェブダッシュボードからこの情報にアクセスすることができます。.
Mira Bellaの創設者ジェームズ・メーリンガー氏は次のように語っています。「当社のサンタクルーズの太陽光街灯製品は制御と通信にDigi XBeeモジュール、Digiのゲートウェイ、Digi Device Cloudを採用しています。おかげで当社の製品はIoTに参加できるのです。当社は数年前に別の会社とともにDigi製品を採用しましたが、通信デバイスについてはDigiこそ注目すべき企業だと常に考えていました」。
成果
このネットワーク対応インテリジェンスによってMira BellaはIoTをリモート監視・管理に活用することができます。Mira Bellaもエンドユーザーも、リモート監視・管理によって人感センサを作動させ、街灯の明るさを調整し、電池の充電状態を監視し、各パネルからどのタイプの太陽光発電を得ているのかをいつでも完全に把握することができます。
「このテクノロジーのおかげで、莫大な費用をかけたり複雑なシステムを開発したりせずにパネルをインテリジェントソーラーパネルシステムに転換することができました」とMira Bella Energyのマイク・メーリンガー氏は説明します。
現在、Mira Bellaの「サンタクルーズLEDソーラー街灯」はサンタクルーズ市のグリーンワーフ事業の試験的プログラムの一環として導入されています。この事業はワーフ(埠頭)を電力会社の配電網から独立させ、100%持続可能な再生エネルギーで電力をまかなうことを目標としています。
「当初は、鳥のせいで太陽光発電はうまくいかないだろうと考えられていました。従来のソーラー街灯ソリューションでは鳥がポールの頂点に止まってしまうので、常に清掃する必要があるのです。パネルを縦に取り付けることで、鳥によって汚されることもほとんどありません。埠頭に設置してみると、非常にうまくいきました」とメーリンガー氏は語ります。
Mira Bellaチームはこのシステムを地方自治体や商業施設、企業や大学の構内で利用する方法を検討しています。