Tisséoは新型Lineo車両にDigi WR44ルーターを搭載してリタルタイム車内ネット接続を実現

写真提供：Occitandu34 (撮影者) [CC0]、Wikimedia Commonsより

人口100万人を超えるフランス南部のトゥールーズ都市圏で地下鉄2路線、トラム2路線、バス150路線を統括する公共交通運営局Tisséoの昨年の運行本数は1億2000万件以上。今後数年間でTisséoは革新的なLinéoプロジェクトを強化し、独自の高速輸送バス/トラムハイブリッド車両を導入して10万人以上の通勤客を運ぶ計画です。

ビジネスの課題

トゥールーズ大都市圏を担う公共交通運営局である Tisséo は、毎日数千人が利用する交通機関を運行しています。500台以上のバスにWi-Fiベースの自動車両監視システム（AVMS）を搭載し、バスがTisseoの停留所に到着するたびにバックエンドシステムと接続しています。このシステムは運賃データの収集とルート監視には役立ちますが、バスが発車してしまうと配車センターとのリアルタイム接続ができなくなり、位置、速度、次の停留所などが表示されなくなってしまいます。

イノベーションへの継続的投資の一環として、Tisséoではトラムとバスの特徴を組み合わせた新しいLineo高速輸送車両を160台投入する計画があります。TisséoのプロジェクトリーダーであるNicolas Boutté氏によれば、Lineoの導入は乗客の利用者体験を向上させる絶好の機会だといいます。「Lineo車両には広告付きディスプレイが搭載され、リアルタイムの交通情報、ルート、車両位置情報を乗客に表示します。ただ、そのためには現在の基本的な停留所WiFi接続では不十分です。走行中のLineo車両が引き続き配車センターと接続できるようにするには、路上での4G接続が必要です」。

ソリューション

こうしたユーザーエクスペリエンスの強化は乗客を増やし、維持する機会ととらえ、Tisséoはセルラー通信を実現するためDigi TransPort® WR44 Rを採用しました。Digi TransPort WR44 Rは頑丈なエンタープライズクラスのモバイルアクセスルーターで、特に公共交通機関に向けて開発された製品です。防犯ビデオ、運賃回収、CAD/AVL、VoIP配車、乗客用Wi-Fiなどの車載システムには安定した通信が必要です。運賃回収とモバイルチケットシステムは一般にPCI準拠が必須ですが、WR44Rはステートフルファイヤウォール、IPSec VPN、ネットワークのセグメンテーション、認証によってその条件を満たします。さらにDigi Remote Manager™ が効率と効果の高いネットワーク運用を可能にし、一括更新、設定プロファイリング、車両監視などの重要機能にパフォーマンスメトリクスレポートとアラームを提供します。

Boutté氏は次のように指摘します。「複数の製品を評価し、バス統合、ネットワーク設定、通信の品質、セキュリティといった必須機能の試験を行いましたが、Digiのルーターこそ求めていた答えでした。ダブルSIMスロット、4G通信、高度プロトコルサポートによって起動時間の短縮と電力消費の低減が実現します。設置は簡単で分かりやすく、車両1台あたり1時間ほどで済みます。DigiのユーザーフレンドリーなWebインタフェースも気に入っています」。

成果

Digi TransPort WR44 Rの導入により、TisséoのLineo 車両は、走行中は4Gセルラー接続、停留所ではWiFi接続により、常時バックオフィス接続を確保できました。第一段階の40台への導入は2016年に完了し、さらに120台が今後4年間でオンライン接続される予定です。Boutté氏は次のように指摘します。「このソリューションによって、リアルタイムの交通情報をディスプレイに配信できるようになります。また、Lineosを監視するツールも手に入れます。例えば、すべての車両がどこにいるのかを把握できるので、モバイルアプリを通じて乗客に最新情報を配信し、どこの停留所でも次の車両がいつ到着するのかを知らせることができるのです」。

Tisséoではディスプレイに広告を表示することも計画しており、同局にとって収入源が増えることにもなります。「Digi接続があれば、いつでもリモートで広告を更新できます」とBoutté氏。

さらなる進化のため、Tisséoはリモート接続による追加サービスも検討しています。たとえば、防犯ビデオ、乗客チケット処理、車両予知保守などです。「Digiはこのプロジェクトのすばらしいパートナーでした。このプログラムが成功した暁には、WR44 Rを数百台のバスにも導入することも検討するつもりです」。