Tracking Hand Washing Decreases the Spread of Infection at Hospitals; Lowers Expenses
手洗いは細菌の感染や病気の蔓延を予防するために欠かせない日常の習慣ですが、病院や保健センターではなおのことです。感染症や病気が常に存在する環境では、病人をさらなる合併症の原因になりうる潜在的リスクから守ることがきわめて重要です。
Clean Hands Safe Hands (CHSH) は、病院で手指衛生のコンプライアンスを監視・報告するために役立つ、利用者に負担の少ないワイヤレス技術です。Bluetooth対応の手指消毒監視システムは、医師や看護師が手指の消毒を忘れた場合にアラームが鳴ります。
課題: 高い感染リスク
米国では年間 5000万件 以上の医療処置が実施されているため、病院は病気や感染症が蔓延する高いリスクにさらされています。 米国疾病管理センター(CDC) の調査では、2011年には721,800件の院内感染が発生し、うち10%以上で患者が死亡しています。
CHSHは、この死をも招く問題の発生頻度を減らし、全体的な影響を軽減させる絶好の対策があると考えました。CEOのクリス・ハーマン博士とCHSHチームは、エモリー病院やアトランタ子ども病院などの医療機関と連携して、病院スタッフが患者の病室に入る際の消毒習慣を病院が監視できる技術を開発しました。
効率のいい正確なプロセスにするため、CHSHでは看護師や医師が消毒ステーションの側を通ったり使用したりするたびにワイヤレス通信がバックグラウンドでシームレスに行われるようにする必要がありました。また、もし不必要にアラームが鳴ると医師や看護師にこのシステムを受け入れてもらえなくなり、データも不正確になってしまうので、手指消毒装置を相互通信させる必要もありました。
ソリューション
CHSHバッジリールは目立たないデザインですが、既存の手指消毒液ディスペンサーに接続されたCHSHセンサーとBluetooth通信を行います。センサーには DigiのZigBee®搭載XBee® Gateway 技術も搭載されています。XBee Gatewayによって手指消毒装置のメッシュネットワークが形成されるので、それぞれの消毒装置が他の消毒装置で収集されたデータを認識します。これにより、近くの別の装置で手を消毒した医師や看護師に対して不要なアラームが鳴ることがなくなります。XBee Gatewayは Digi Device Cloud℠ と統合されるので、データは自動的にクラウドに送信され、ここで収集・保存され、アプリケーションに送信されてさらに活用できます。
「このハードウェアはとても使いやすく、当社の技術を際立たせてくれます」とハーマン氏は語ります。
センサーは各スタッフを個別に認識し、病院システム全体での手指消毒活動を記録します。病室に出入りする際には一定の消毒時間が設定されており、その時間が過ぎると消毒の有無が記録されます。
CHSHセンサーは、石鹸とアルコールの入ったディスペンサーに取り付けられます。必要に応じてセンサーが小さな音声でスタッフに消毒を促し、ディスペンサーの使用を記録します。
スタッフひとりひとりに配布する個別IDであるCHSHバッジリールは、1年間はバッテリーが切れることがなく、センサーと通信して各スタッフレベルでコンプライアンスを判定します。
成果
2015年第一四半期には多数のCHSHシステムが病院に導入される予定です。エモリー病院やアトランタ子ども病院などのパートナーを活用することで、CHSHは成功するために必要な環境を作り出しました。「エモリー病院やアトランタ子ども病院の医療関係者の支援がなければ、この画期的技術も実現しなかったでしょう」。
ハーマン氏は、今後1年間で大規模なCHSHの導入ができるのも、このシステムが簡単に設置できるおかげだと指摘します。「Digiのハードウェアによって、病院のインフラを邪魔することなくこの技術を設置することができます。設置プロセスが非常にシンプルになるだけでなく、競合他社に対する大きなアドバンテージにもなります。一般的なシステムでは病院のITインフラを大幅に変更しなければならないからです。ある病院ではIT部門と文字通り15分間話し合っただけで承認され採用されました」。
「Digiのおかげで市場競争において大きなアドバンテージを得ました。当社がCHSHを開発したのは患者の安全性を高めるためであり、感染予防にワイヤレス技術で貢献できることを嬉しく思います」。